子宮体がんは子宮頸がんと違って、子宮の奥のほうに発生するがんです。
そのため、確実に診断するためには子宮の中から細胞をとらなければなりません。

方法としては、まず、超音波(使わない医療機関もあります)で子宮の内部を観察します。
このときに、子宮の内部の子宮内膜といわれるところがある程度増殖しているかをまず確認します。
いろいろなデータがありますが、子宮内膜の増殖(厚み)が5mm以下であればまず95%は子宮体がんの可能性は低い、といわれています。(100%ではありません。)
逆にいえば、閉経されている方、あるいは生理終了直後の方で子宮内膜の厚みが5mm以上あり、不正出血などがある場合は検査を受けられたほうがよいということです。

(集団検診においては、子宮頸がん検診を受診された方の中で、医師が必要と認めるもの(原則として最近6ヶ月以内に不正性器出血を訴えたことがあるもので年齢50歳以上、閉経以降、未妊婦、月経不規則のいずれかに該当するもの)に対して集団検診が導入されています。
また、もちろん不正性器出血を認めたり医師の判断で必要と考えられた人には保険診療で子宮体癌の検査が可能となります。)

そして、ゾンデという、細い柔らかな金属で子宮の深さを測定します。これは子宮の壁を傷つけないようにするためです。
そして、やわらかいストロー状のくだの中に、やはり細いブラシが先端についた専用の器具を注意深く子宮の奥まで挿入し、細胞を採取します。施設によっては先端がプロペラのかたちをしていたり輪っかのようなかたちをしているものもあります。
場合によっては、細い金属のスプーンのようなもので細胞だけでなく組織を採取してくるときもあります。
子宮体がんの検査で難しいところは、検査器具が子宮の入り口の一番狭い部分を通れるかどうかに個人差がみられるところです。
出産経験のない、閉経をすぎた方ですと場合によっては何日もかけて、子宮の狭くなってしまった入り口に仕掛けをしてやってゆっくり広げてやってからでないと細胞がとれないこともあります。
このような場合は、超音波やCT,MRIなどの画像診断や腫瘍マーカーなどの血液検査である程度検討してから細胞の採取を試みることもあります。

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子宮体がんの検査法

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右の図が、子宮の中の細胞をとっているところです。
非常にやわらかい、細いブラシを使っています。